「オーダースーツを体型別に解説|筋肉質・痩身・がっちり体型に合うスーツの選び方完全ガイド

はじめに:オーダースーツの基本は「体型に合う」こと

「スーツは誰が着ても同じ」──そんなふうに思っていませんか?
実は、体型に合っていないスーツを着ることで、本来の魅力が十分に発揮されないことが少なくありません。特に既製品のスーツは、“平均的な体型”を基準に作られているため、筋肉質、痩身、がっちり型など、個性豊かな体型の方にとってはフィットしないのが当然とも言えるのです。

D'フレイムでは、これまでに2,000名以上のお客様の採寸を行い、それぞれの体型が最も映える一着を共に設計してきました。今回はその豊富な経験をもとに、体型別に導き出した“最適な一着”をご紹介します。

既製スーツが“ぴったり”に感じにくい理由とは?

既製スーツの多くは、あくまで「平均的な体型」を基準に設計されています。サイズ展開こそ豊富に見えるものの、その根底にあるのは、あらゆる人に“そこそこ合う”ことを前提としたパターン。つまり「誰にでも無難に合う」設計であって、「その人に最も似合う」設計ではないのです。

しかし、実際の人間の体型は千差万別。たとえば、胸板が厚く肩幅の広い筋肉質の方、細身で骨格が華奢な方、全体的にがっしりした大柄な方など、個々に異なる特徴があります。それぞれに「袖丈が左右で合わない」「ジャケットの胴回りが余る」「スラックスが太ももで張ってしまう」など、既製スーツではカバーしきれない悩みを抱えがちです。

その結果、スーツ姿がピッタリと合っていると感じにくく、着心地だけでなく、第三者からの印象にも大きな影響を及ぼすことがあります。特にビジネスやフォーマルな場面では、スーツ姿が第一印象を左右する重要な要素となるため、フィット感の不自然さは見逃せない問題です。そこで体型別のオーダースーツの選び方とスタイリングのコツをお教えしようと思います。

体型別・オーダースーツの選び方とスタイリングのコツ

ここからは、多くの方が悩まれることの多い代表的な体型を3つのパターンに分け、それぞれに適したオーダースーツの選び方とスタイリングの工夫について、D'フレイムの視点からご紹介いたします。なお、以下でご紹介する内容はあくまで一例であり、スーツを着用されるシチュエーションや目的によって、最適なスタイルは変わることもあります。もちろん、いずれの場合においても「体に合った一着を身にまとう」ことが基本であるという前提に立っています。

筋肉質体型(サッカー・水泳・格闘技など)

特長

肩幅が広く、胸板も厚めで、腕まわりや背中の筋肉が発達しているタイプ。下半身も太ももにボリュームがあり、既製スーツでは全体的に窮屈さを感じやすい体型です。

◆おすすめなスーツ調整

筋肉質な体型は、肩や胸まわり、腕、背中、さらには太ももなど、全体的にボリュームがあるため、既製スーツでは動きづらさや窮屈さを感じることが多くなります。そのため、スーツの調整においては「可動域の確保」と「体型の立体感に合わせたシルエット調整」が重要です。ジャケットのバストはゆとりを持たせ、引っ張られ感やツッパリ感を軽減し、ウエストは逆に絞ることでシルエットのもたつきを防ぎます。
 スラックスは太ももにしっかりとゆとりをもたせることで、筋肉の動きを妨げず快適な履き心地を実現します。ただし、裾にかけてゆるやかに絞るテーパード型を採用することで、ただの「ゆったりシルエット」にせず、全体の印象をスリムでシャープにまとめます。

◆おすすめのカラー・柄

ネイビーやチャコールグレーなどの濃色は引き締め効果があり、上半身のボリューム感をスマートに見せてくれます。柄はシャドーストライプやヘリンボーンといった縦のラインを意識した柄を選ぶことで、よりスタイリッシュな印象に仕上がります。

痩せ型体型(マラソン・一般学生など)

特長

 肩幅が狭く、胸板も薄めで、全体的に線が細く繊細な印象の体型。既製スーツではサイズが大きく感じられ、「着せられているように見える」と感じる方も多い傾向にあります。

◆おすすめなスーツ設計

 痩せ型体型は、全体的にスリムなラインが特徴のため、その繊細な印象を活かしつつ、スタイルを引き立てる調整が求められます。まず、ジャケットは身体にフィットするよう、肩やウエストに適度な絞りを入れたシルエットが効果的です。身長が低い方には、Vゾーンをコンパクトに見せる三つボタン仕様もしくはベストを着用することで、視線を上に引き上げ、上半身に視覚的な重心をつくるという工夫も可能です。
 スラックスは全体的に細身のシルエットを選ぶことで、縦のラインが強調され、脚長効果やスタイルアップにつながります。ただし、過度な細さは動きにくさや不自然さを生むため、渡り幅や膝にかけてはやや余裕を持たせ、裾に向けて細くなるテーパードラインが適しています。視覚的な美しさと着用時の快適さの両立がポイントです。

◆おすすめのカラー・柄

 ライトグレーや明るめのネイビーなど、いわゆる“膨張色”を選ぶことで、自然なボリューム感を演出できます。チェック柄などの柄物で横の目線を加えて立体感を加えることも効果的です。

がっしり、大柄な体型(ラグビー・アメフト・重量挙げなど)

特長

 全体的に筋肉量が多く、肩幅・胸囲・腕・脚のすべてに厚みがあり、立っているだけでも存在感のある体格です。大き目の既製スーツをガボッと着てしまうとずんぐりな印象となってしまう体型です。

◆おすすめなスーツ設計

 全体的に筋肉量が多く、どっしりとした重厚感がある体型です。そのためスーツの調整では、体型の迫力を活かしつつも、圧迫感や窮屈さを感じさせない“品のある重厚感”を表現することが重要です。ジャケットは、体のラインを拾いすぎない、やや余裕のあるシルエットが適しています。具体的には、肩幅や胸囲にしっかりとゆとりを持たせながらも、胴まわりで緩やかに絞りを入れることで、ボックス型にならず、自然なラインを形成します。また、襟幅をやや広めに設定することで、顔まわりとのバランスがよくなり、小顔効果が期待できます。
 スラックスは太もものゆとりを持たせつつ、膝下から裾にかけては緩やかに細くなるシルエットとします。ただ、あまり絞りすぎると貧弱な印象となってしまうので、スラックス全体の大きさを見ながら適切な膝下から裾にかけて調整します。

◆おすすめのカラー・柄

ダークネイビーやミッドナイトブルーなどの落ち着いた色味は、引き締め効果が高く、威圧感をやわらげるのに効果的です。ストライプをはっきりと入れるとより縦のラインが強調され、すっきりとした印象になります。

自分の体型に合う一着をプロと一緒に選ぶ

「どれだけ良い素材でも、体型に合っていなければ半減する」──これは私たちが2,000人を採寸して得た一つの真理です。

D'フレイムでは、ただ採寸するだけでなく、お客様のキャラクターや目的に合わせて最適な一着を共に創り上げていきます。

ご予約・ご相談はこちらから

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です